初期イングランド印刷史/ロッテ・ヘリンガ
印刷の発想くらいでチートできると思うな
活版印刷と言えばグーテンベルクだ。それはいい。じゃあその後はどうなったのか。
というわけでイングランドに印刷術を持ち込んだウィリアム・キャクストンとその後継者達に焦点を当てたのが本書だ。
印刷術の発明によって、紙の世界は一変された‥というのが大方のイメージだろう。が、現実には、イングランドに設立された印刷所の多くが、数年で閉鎖の憂き目にあっていたりもする。
「いつ何の本が刷られた」といった印刷情報の羅列が多くちょっと退屈かもしれないが、本書はきっと初期の印刷業界の空気を教えてくれるだろう。