甲冑バトルと愉快な仲間たち(日本編)

 神が作り給うたこの宇宙には、甲冑を着て殴りあう愚かな生き物が存在することはご存知でしょうか?

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 前回の記事「甲冑バトルと愉快な仲間たち(世界編)」では、僕らの地球上で甲冑バトルなどという競技にふける人たちの分類について解説しました。 そこで、今回はその後編として、この美しい日本国でこんな酔狂なことをしている人たちの系譜について述べたいと思います。

 尚、甲冑業界は今なお進化中です。この記事で述べられているのはあくまで2016年3月現在のものであり、今後いかようにも変わり得る点、ご留意下さい。

第一部: 甲冑バトルの系譜

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 SCAやアヴァロン、ティンタジェルといった名前を目にしたことがある方もおられると思います。ない方もおられましょう。

 ともあれ、これら組織はやはり本邦の甲冑業界のメインストリームと言っても差し支えない存在ですので、まずはこの手の人々の歴史を語ることで、甲冑バトル界隈がどのように構成されていったかをご紹介したいと思います。

第一章: 大前提としてのSCA

 世界編でも解説しましたが、甲冑バトルの歴史を語る上で最も重要な組織のなかに、アメリカのSCA(Society for Creative Anachronism)という組織があります。 バークレー大学の卒業式で行われた余興の試合から発展して、最盛期は4万以上の会員を抱えるに至った、世界最大の甲冑バトル組織です(甲冑バトル以外にも色々やってますが)。

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  • 組織名: SCA(Society for Creative Anachronism)
  • 設立: 1966年
  • 本拠: アメリカ
  • 代表: いまいち不明
  • ウェブサイト: http://www.sca.org/
  • twitter: @scasocial
  • 活動内容
    • 甲冑バトル(SCA系)
    • レイピア
    • カット&トラスト
    • アーチェリー
    • 中世文化研究/再演全般
  • 補足: むっちゃ人多い

 木刀相当(ラタン: rattan)の武器と比較的融通の効く武装を特徴としており、もうかれこれ50年の歴史を誇っている古株の組織でもあります。 日本における甲冑バトルの歴史もこのSCAと切っても切れない関係にありますので、まずはこのSCAという名前だけは覚えておいて下さい。

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第二章: 日出づる国の甲冑バトル事情

 さて、そんな大勢力であるSCAですが、本場はあくまでアメリカ。太平洋を挟んだ本邦日本においてはSCAの威光も届きません。日本在住の米国人の中にはSCAに属している人もおりましたが、その数はごくわずか。物資的にも場所的にも、甲冑バトルのための環境も全くといっていいほどないわけです。

 そんな僅かなSCAdianにとって、一つの母体となるのが在日米軍でした。兵士と戦士の違いはあれど、戦う者同士。軍人と甲冑バトルは相性が良いのかもしれません。それに基地内であれば米国風の流儀もやりやすかったのでしょう。

 そんなわけで日本のSCAメンバーは、暫くの間は基地内などで訓練といった活動を行っていたようです。一時期はメンバーもそこそこ集まっていたらしく、なんでも96年の時点では40名ほどのメンバー(非甲冑のSCAメンバを含むかは不明)がおり、横浜の座間基地では30人規模のイベントなども開いていたとか。状況を考えれば、実に立派な数字のようにも思えます。

SCAのうち、日本等を担当するBarony of the Far West(極西男爵領)の紋章

SCAのうち、日本等を担当するBarony of the Far West(極西男爵領)の紋章

 しかし、在日米軍には一つの弱点がありました。それが、任期。つまり、彼らは日本にやってきても、5年くらい経って任期が切れると本国に帰っちゃうわけです。96年には40人程いたメンバーも、帰還に次ぐ帰還の結果、99年には僅か2人しかいなくなってしまったという証言もあるくらいです。そうでなくても人の出入りが激しくメンバーも流動的となると、安定した活動はやはり難しいといえるでしょう。

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第三章: 円卓に集いし甲冑勢

 時は1999年(2000年とする資料もアリ)。そうした甲冑勢の不安定な状況を打破すべく、在住米国人のLord Noeら4人メンバーが、真に甲冑戦士の母体たることを目指して一つの組織を設立します。

 それが、「アヴァロン」。日本の組織としては初の甲冑バトル団体です。

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  • 組織名: アヴァロン
  • 設立: 多分1999年
  • 本拠: 日本
  • 代表: いまいち不明
  • ウェブサイト: http://avalon.tsukaeru.jp/
  • twitter: @avalonjp
  • 活動内容
    • 甲冑バトル(SCA系+アレンジ)
    • たまにレイピア
    • 中世文化研究/再演
  • 補足: SCAの協力団体的位置づけ。最近はあまり活動していない

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Lord Noe

  • 主要スタイル: 両手剣・槍
  • 補足: アヴァロン設立者の一人にして、長年Seneschal(偉い人)を務めた。紋章はアヴァロンのSeneschal用のもの。

 このアヴァロンは本家のSCAとはまた独自に、日本という環境下で甲冑バトル等を行うための活動を開始します。

 最初期の活動はあんまり詳しいことは知らんのですが、ともあれこの頃から現地との交流などを経て、当初は米国人で占められていた甲冑戦士の世界にも日本人が徐々に参加してきます。サバゲーイベント「ブラックホール」や24時間耐久コミケで甲冑バトルの披露などもしており、何故かコミケ参加者ではなくコミケスタッフの方が大量に釣れるという妙に偏った戦果も残しています。

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Lord Stephan

  • 主要スタイル: 剣&盾
  • 補足: 日本人初の甲冑戦士。アヴァロンの紋章官であり、キャッスル・ティンタジェル(後述)設立者の一人

 また、甲冑に限らない文化的な活動のほうも広がりを見せていきます。中世料理をつくる人や中世風の音楽家、西洋流の舞台剣術の殺陣師など、様々な活動をしている人達との交流も増え、一種の中世実践系クラスタと呼びうるものが構築されていった感があります。今でも、中世実践系の古株の人を尋ねると、高確率でアヴァロン関係者だったりその知り合いだったりします。

 もちろん甲冑戦士の本分として定期的な練習も行っていましたし、ちょくちょくテレビの取材を受けたりと露出も増えてきます。当時は「小金井公園で甲冑戦士がバトルをしている」という都市伝説がまことしやかに囁かれたとも言います。まぁ、事実なんですが。

小金井公園での練習の様子

小金井公園での練習の様子

 ちなみにこのアヴァロンの位置づけですが、前述のとおりSCAの協力団体のようなものであり、SCAそのものとは別の組織になります。SCAには日本等を担当する支部(Barony of Far West: 極西男爵領)みたいなものもあるのですが、こっちはあくまでSCAの組織であって日本においては在日米軍が主体になっています。

 で、アヴァロンはこれらSCAの組織と協力しつつ、民間人や日本人を相手に日本市場を開拓していこうというわけです。ただしSCAとは別組織とは言えど、その理念や文化の多くはSCAから継承しておりますので、はたから見れば小さな日本版SCAと思ってもそう間違いではないのかもしれません。勿論両方に在籍しているメンバーもそれなりに居ます。


 かくして徐々に日本でも広まり始めた甲冑バトルですが、しかしすべての障害が取り除かれたわけではありませんでした。

 元々アヴァロンは同好の士の集まりといった趣もあり、固有の不動産を持っているわけではありません。上で述べた通り、練習は手頃な公園などで行うわけですが、武具の運搬も骨が折れますし(いやマジで大変なのよこれが)雨が降ると練習も中止せざるを得ません。メンバーが集まるのも色々と容易ではなかったことでしょう。

第四章: お城、目白に建つ

 上記のような事情に加えて、恐らくはより本格的な活動を志向したという側面もあったのでしょう。2008年のある日、アヴァロン設立者の一人であり中核メンバーの一人であるジェイ・ノイズ氏が以下の様な決断を下します。

 そうだ、城、建てよう

 こうして2008年、東京都目白区に甲冑勢の自前建物である「キャッスル・ティンタジェル」が設立されます。元々ジェイ氏はアヴァロン時代にもレンタル倉庫や甲冑運搬の足の手配などのバックアップを行っており、その倉庫的なものが発展して自前の道場に進化した、とも言えます。SCA時代から数えれば実に10年以上。ここにきてようやく甲冑戦士にとって一つの安住の地ができたわけです。

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  • 組織名: キャッスル・ティンタジェル
  • 設立: 2008年
  • 本拠: 東京都目白区
  • 代表: ジェイ・ノイズ
  • ウェブサイト: http://www.castletintagel.com/
  • twitter: @castle_tintagel
  • 活動内容
    • 甲冑バトル(SCAベースだがアレンジ多々)
    • 甲冑バトル(HMB系)
    • ドイツ剣術教室(ロングソード)
    • 中世文化研究/再演
  • 補足: 通称、目白のお城

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ジェイ・ノイズ

  • 主要スタイル: 両手剣・槍
  • 補足: キャッスル・ティンタジェル代表取締役社長。見ての通りLord Noeと同一人物(Lord NoeはSCA/アヴァロンでの名前)。紋章はアヴァロン時代のもの。

 建物として見れば、甲冑バトルや中世剣術の練習場であり、そのための武具を保管する倉庫であり、また甲冑バトルその他のグッズを販売する店であり、メンバーが集うサロンでもあります。外見はお城と呼ぶにはちょっと厳しいかもしれませんが、心の目で見ればきっと城でしょう。

お城。

お城。

 またティンタジェルは、建屋であるのみならず、組織の名称でもあります。このキャッスル・ティンタジェルはアヴァロンを土台にしつつも、アヴァロン自体ともまた趣を事にする団体だと言えます。アヴァロンは仲間内のサークルといった側面もありましたが、ティンタジェルは法的には株式会社です。以前のように甲冑バトルの練習も行っていますが、剣術や甲冑バトルのスクールの開催といった、本格的な道場チックな活動も増えてきています。

ドイツ剣術教室の様子(多分)

ドイツ剣術教室の様子(多分)

 メンバー数などはちょっとわかりませんが、何度か建物の増築(正確には近隣建築物の取り込み)を行っているところから見ても、順調に活動規模も拡大しつつあるようです。

第五章: 旧共産圏の風、日本に至る

 そんなこんなで紆余曲折ありつつも少しずつ足場を固めつつあった甲冑バトル界隈。これまでの展開をご覧になれば、これらは全てSCAを源流としたムーブメントであることがわかると思います。甲冑バトルのレギュレーションも、アレンジを含みつつもSCAのそれを基本としています。

 しかし、ここで意外なところから新たな潮流が生まれます。時は2009年、場所はロシア・ウクライナ。

 元々かの地では、SCA系の甲冑バトルとはまた別のHMB(Historical Medieval Battle)系と呼ばれる甲冑バトルがぼちぼちと行われていたのですが、日本の甲冑業界にとってはほぼ他人事といって良い状況でした。
 しかしこの2009年、HMB系甲冑バトルの国際大会であるBattle of the Nations (BoN)が唐突開催の運びとなります。

HMB系の国際大会Battle of the Nationsの様子

HMB系の国際大会Battle of the Nationsの様子

 この大会はSCA系甲冑バトルとは異なり鉄の武器を用いたり、レスリング・格闘を多用したりと、見るからに危険度の高いもの。ティンタジェル側も当初こそ見送ったものの、やはり血が騒いだのか2013年の第四回大会では日本代表チームを組んで参加しています。

HMB系大会(IMCF)に参加する日本勢

HMB系大会(IMCF)に参加する日本勢

国内のHMBリーグであるJABL

国内のHMBリーグであるJABL

 で、この参加で手応えを感じたのか、それともプロモーションのヒントを得たのか。ともあれティンタジェル城主ジェイ氏は早くも同年の8月にはこのHMB系甲冑バトルのリーグであるJABL(日本アーマードバトル・リーグ)を結成しており、HMB方面の展開に意欲を見せています。翌年の2014年、翌々年の2015年にはやはりHMB系国際大会であるIMCFに参加していますし、国内でJABLのリーグマッチを開いたりしています。


 と、ここらで一つ、SCA系とHMB系の甲冑バトルについて少し。

 いずれも中世の実践活動であるリエナクトメントの一種から派生した競技なのですが、SCAの方は組み打ちや格闘などの要素は排除した、より純粋な剣術に近いスタイルを採用しています。その一方でHMBは鉄の武器も使うし、種目によっては殴る蹴るも当たり前といったより具合です。

SCA系バトルの例

SCA系バトルの例

HMB系バトルの例

HMB系バトルの例

 当然それぞれのスタイルには一長一短があり、ここでは優劣には触れません。ただ、元々ティンタジェル城主のジェイ氏は、中世当時の戦いとその再現に関心の軸を置いており、そういう意味で純正SCA仕様のスポーツライクなレギュレーションは物足りないと感じていたきらいがあります。実際、道場で行われるSCA式ラタン剣による甲冑バトルの練習も、組み打ちなどのアレンジを加えていっております。中の人がつい先日お邪魔した際も、より中世の世相を想定したレギュレーションへの改定を模索しておりました。

※補足しておきますと、ティンタジェルも完全に格闘込みのルールに絞っているわけではなく、ビギナールールとして格闘等を制限した、より本来のSCAに近いルールも採用しています。


 そんなわけで、最終的なゴールがHMBなのかそれともまた別の形なのかはわかりませんが、少なくともここ数年、ティンタジェルはSCA的な方向性から離れつつあると表現して良いように思われます。アメリカで行われているSCAのイベントも、メンバーが個人で参加することはあっても、ティンタジェルとして参加するようなことは無いみたいです。

 ちなみに日本における甲冑勢の元祖たるアヴァロンですが、ティンタジェルが出来て以降は活動の軸は徐々にそっちに移ったらしく、最近はあんまし組織だった活動はしていないみたいです。ローカルグループに関してはまた別の動きもあるのですが、そのへんはまたのちほど。

まとめ

 というわけで、日本における甲冑バトルの系譜のメインストリームをざざっとご説明しました。
 図にするとこんな感じですね。

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 在日米軍らのSCAdian達から始まって、日本向けSCA的組織であるアヴァロン、そこから更に道場と法人格を備えたティンタジェルと来て、最近はHMB方面にも展開しつつ今に至る、と。

 まだまだ認知度も高いとは言えない甲冑業界ですが、そんな社会の端っこで活動する甲冑勢にも歴史があり、先人たちの努力の結果として現在の状況があるということがおわかり頂けたのではないでしょうか?

第二部: それ以外の甲冑バトルな人々

 というわけで、甲冑業界の礎を築いた偉大なる先人たちの軌跡をなぞってみました。

 しかし、これまで解説したのは、あくまでSCAからティンタジェルに至る一つの流れに過ぎません。甲冑を愛す馬鹿どもはまだ他にも居るのです。そこでここでは、これまで紹介した系譜と関係あったり無関係だったりする、その他の甲冑バトルな人々を以下では紹介していきたいと思います。

アヴァロン ヴェストリッヒェスラント(Avalon Westliches Land)

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  • 組織名: アヴァロン ヴェストリッヒェスラント
  • 設立: 2000年代のいつか
  • 本拠: 関西
  • 代表: Bran de Bruce
  • ウェブサイト: http://avalon-west.org/
  • twitter: @WestlichesLand
  • 活動内容
    • 甲冑バトル(SCA系)
    • レイピア
    • 文化活動‥はやってるか不明
  • 補足: アヴァロンの関西支部、のようなもの

 平たく言えば、前述したアヴァロンの関西支部(のようなもの)です。

 これまで述べてきたアヴァロンの動向は主に関東での様子であり、関西は関西でまた独自に活動をしていたのですよというわけです。流石に関東に比べるとメンバー数も少なくはなりますが、関東側があんまり定期的な活動をしなくなった現在も、関西勢は定期的に集まって練習会を開いています。

練習会の様子

練習会の様子

イベントでのレイピア戦の披露

イベントでのレイピア戦の披露

 活動内容としては、甲冑バトルに加えてレイピアも取り扱っているようです。関西在住で甲冑バトルに興味がある方は、こちらにコンタクトを取ってみると良いでしょう。私自身はこちらの方々とはそれほど交流があるわけではないので、空気的なものはそれほど語れるわけではないのですが、関西は関西で弓とか甲冑とか色々交流しており、関西版の甲冑・中世クラスタみたいなものも形成されているみたいです。

 ちなみにサルベージした限りでは、書類上は他にもアヴァロン ゼーヴィンディア(Avalon Seewindia)なる新潟支部があるらしいのですが、流石にこの辺になるとさっぱりわかりません。

暗黒学園

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  • 組織名: 暗黒学園
  • 設立: 多分2015年
  • 本拠: 東京都板橋区近辺
  • 代表: バケツヘッド
  • ウェブサイト: http://ch.nicovideo.jp/Baketu
  • twitter: @Baketu_head
  • 活動内容
    • 甲冑バトル教室/練習会(SCA系)
  • 補足: 厳密には、教室の名前が暗黒学園で、練習会の方はべつの名称がある模様。

 メインストリームの解説の方で述べた通り、日本の甲冑バトルはSCA、アヴァロン、ティンタジェルと主流を移しつつも、少しずつ発展を遂げていきました。

 しかし一方で、時が経つにつれてこの系譜の甲冑バトルは大本のSCAから離れつつあることもまた同時に述べました。これはこれで味がある一方で、SCAのそれとは競技としての性格を異にし、また初心者には敷居が高くなる側面も否めなせん。

 そこで、本来のSCAに近いスタイルの甲冑バトルを行う場として、アヴァロンメンバーであり元ティンタジェルメンバーでもあるところのバケツヘッド氏が立ち上げた甲冑バトル教室がこれ。

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バケツヘッド

  • 主要スタイル: 両手剣
  • 補足: 暗黒学園校長。最近はハイデの騎士にも扮する。個人としての紋章は無いみたいなので本人の盾から拝借。

 氏はアヴァロン時代から活動してきた甲冑バトルのベテランに属す戦士ですが、少なくとも現時点では半ば属人的な練習会であり、アヴァロンやティンタジェルと直接の関係はないようです。

 アヴァロンと同様に固有の不動産があるわけでもないので甲冑運搬等の手間は要りますが、一方で参加費が格安という嬉しい点も。主な練習場所は東京都北区中央公園と板橋区立板橋体育館。気軽に甲冑世界に触れてみたいという方は主催のツイッターからご連絡をば。

 ちなみに中の人もよく遊ばせて貰ってます。当初は、この名称はもうちょっとどうにかならんのかと思っておりましたが、最近はすっかり気にならなくなってしまいました。いやあ、慣れって恐ろしいもんですね。

公園での練習後の一枚。右から二番目が私。

公園での練習後の一枚。右から二番目が私。

現代野試合連盟

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 これまで述べた甲冑バトルな人々は、いずれもSCAを源流とする系譜なのですが、こっからはまた別な系譜の方々になります。

 で、その一番手は現代野試合連盟。主催者側の解説によると、「武士版のサバゲ」とのこと。

普段の練習。いわゆる例会

普段の練習。いわゆる例会

イベントに集った野試合勢

イベントに集った野試合勢

 見ての通り、日本の甲冑を身にまとって剣や槍をもってど突き合う競技あるは遊戯。とは言えルール上は甲冑の着法は必須ではなく(着たほうが有利にはなる)、また武器もスポンジを入れた柔らかい武器を使うので、これまで述べた甲冑バトルに比べると敷居は著しく低いと言えましょう。甲冑要素を導入したスポーツチャンバラといっても良いかもです。極端な話、武器を借りれさえすれば、手ぶらで行っても出来なくはありません。都内でちょくちょく開催しているので、興味があれば主催のトゥイッターをチェックしてみてください。

 また定期的な開催以外にも、2015年には南相馬のサムライフェスに協力したりと、武士趣味コンベンションに関わったりと色々と楽しそうなことをやってるみたいです。

サムライフェス@南相馬

サムライフェス@南相馬

 そんなわけで競技としてはLARP相当といって良いものなのですが、海外や中世クラスタとは全く無関係なところで生まれた活動ですので、西洋甲冑要素はなく、基本的に和系統です。その一方で国内の武術クラスタとの相性は良いようで、参加者の中には古武術の名の知れた達人クラスの人間がしれっと混ざっていたりと、中々どうして侮れなかったりもします。

LARPサークル レイムーン

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 必ずしも甲冑でなくてはならないわけでは無いのですが、甲冑要素を含むバトルの中にLARPというものがあります。世界編でも述べたのですが、これはTRPGの一種の究極系で、演ずるキャラに物理的になりきってしまうというもの。当然ゲーム上の戦闘では参加者が物理的に戦います。

海外のLARPの例

海外のLARPの例

やはり海外のLARPの例

やはり海外のLARPの例

 厳密にはLARPはバトルそのものではなく、バトル要素も含んだゲームなのですが、海外ではSCAやHMBといったフルコンタクトの甲冑バトルと隣接する趣味と位置づけられており、LARPという言葉はバトルのレギュレーションの一つとしても用いられています。具体的には柔らかい武器と軽めの装備を用いたバトルであり、レギュレーション自体は上記の現代野試合に近いと申せましょう。

 元々、日本で(多分)最初にLARPを主催していたのはこれまで何度も登場しているティンタジェル。ですが、色々都合があったのか、中々頻繁に開催はできず、サイトの方も2013年から更新されていないようです。

 そんな状況にあって、LARPセッションの定期的な開催を目指して、参加者であった雛咲悠氏、星屑氏が自ら立ち上げたサークルが表題のレイムーン。 ソード・ワールド1.0をベースにした標準的なファンタジーの世界観で、月一回の頻度でセッションを開いています。

 個人の非営利サークル故、まだ海外の本格的なゲームに比べると見た目のファンタジー度は下がりますが、その分低予算でかつ気軽に参加できると申せましょう。主催側の体験記のようなものもありますので(リンク)、こちらも併せて読んでみればノリがつかめるかもしれません。

公共の施設を借りてのセッション。傍から見ると低予算感も漂うが、そこは想像力で補う。

公共の施設を借りてのセッション。傍から見ると低予算感も漂うが、そこは想像力で補う。

一方こっちは屋外でのセッション。屋内に比べると何だかとてもしっくり来ること請け合い。

一方こっちは屋外でのセッション。屋内に比べると何だかとてもしっくり来ること請け合い。

 中の人は、いわゆる「LARPレギュレーションのバトル」には参加させてもらった事があるのですが、TRPG要素を含んだLARPそのものはおっかなくて参加したことがありません。TRPG怖いよTRPG。

 尚、まだ定期的な活動になるかは判断がつかないので項目は立てませんが、LARPerの一人である氏もまた、LARPの戦闘要素のみを抽出したバトル会を何度か開催しています。ゆるチャンバラ、ゆるLARPなどと称しているようです。こちらも興味があれば氏のトゥイッターを参照下さい。

お手製の武具でのバトルの様子

お手製の武具でのバトルの様子

ガチ甲冑合戦

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  • 組織名: 日本甲冑合戦乃会
  • 設立: 多分2014年くらい
  • 本拠: 大阪市京橋
  • 代表: 横山雅始
  • ウェブサイト: http://armoredsamuraibattle.web.fc2.com/
  • twitter: 特になし
  • 活動内容
    • 甲冑バトル(LARP+組み打ち)
    • 歴史祭りでのリエナクトメント

 最後に紹介するのはガチ甲冑合戦なる競技。これは、これまで紹介してきたものともまた異なる系譜の甲冑バトルで、レギュレーションとしては組み打ち重視のハードなLARPといった感じでしょうか。

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 世界編でも紹介しましたが、元々欧州では歴史再演の祭りが各地で行われており(ヒストリカル・リエナクトメントと言います)、その一環としてバトルの再演も広く行われています。言ってみれば、これの日本版を日本でやろうよというのがガチ甲冑合戦と申せましょう。

元祖、海外のリエナクトメント勢

元祖、海外のリエナクトメント勢

 恐らく最初に世に出たのは2014年のかしわら歴史まつり。その中の一環である大坂夏の陣合戦再現として執り行われました。上掲の画像からは、揃いの武具甲冑で合戦をしている様が見て取れます。

 いつの間にこんなものができたんだ‥というか、いつのまにこんなに人員を集めたんだという気分にもなりますが、どうやら主催の方は国内外で国際的な武術交流に長年携わっているとのことなので、その蓄積あっての事なのでしょう。武装は全員戦国ですが、人脈的な都合なのか参加者はフランスなど海外の人も多くを占めています。

 またこの合戦は単なる競技というわけではなく、戦国当時に近い条件で実際に戦ってみるとどうなるかという実験的な側面もあり、そういう意味でもヒストリカル・リエナクトメントに通ずるものがあります。一方で歴史祭りの他にも格闘技イベント「巌流島」に出演したりと早くも精力的な活動を進めているみたいです。

「巌流島」でのガチ甲冑合戦の様子

「巌流島」でのガチ甲冑合戦の様子

 尚、これまで紹介した方々のうち、このガチ甲冑合戦だけは私は主催やその知り合いとの接点も皆無なので、完全に赤の他人としての紹介になります。が、伝え聞く限りでは、中々に評判も上々なようです。うむ、甲冑勢が増えるのは大歓迎である。個人的にはもうちょっと甲冑にケレン味が欲しいところですが。

おわりに

 以上、中の人が知る限りの甲冑バトルな人々をご紹介してみましたが如何でしょうか。思ったよりも多かったでしょうか、それとも少なかったでしょうか。

 何だか当記事では色々と知ったようなことを書いておりますが、中の人自身とてこの業界に入って日も浅い初心者。理解が不十分な箇所もあるでしょうし、アンテナに漏れている甲冑競技もきっとこの国には一つや二つは余裕であるでしょう。団体とは無関係に個人で甲冑バトルの練習をされている方も居られるようです。他にも耳寄りな情報があればぜひとも教えて下さい。

 ともあれ。ご覧になったように、一口に甲冑バトルといえどライトなものからヘヴィなものまで実に色々あるのです。本記事をご覧の方に適したものもきっとあることでしょう。さぁさ、躊躇は要りません。皆様もご家族、ご友人をお誘い合わせのうえ是非とも甲冑界隈にご参入下さい。戦いの場でお会いしましょう。胴鎧はブリガンダインがおすすめですぞ。


One comment on “甲冑バトルと愉快な仲間たち(日本編)

  1. ご紹介いただきありがとうございます。
    Avalon Westliches Landについて若干の補足です。
    設立は2006年6月です。
    また、文化面も少しずつですが活動しています。
    (とりあえずダンス練習会を定期的にできるようになりました。)

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