告白と許し/ジャン・ドリュモー
告解の現場と困難の歴史
キリスト教の秘跡の一つ、告解。
日本人にとってあまり馴染みのない文化だが、実は告解は、キリスト教の布教において極めて強力な役割を果たしている。しかし一方で、その実践においては多くの議論も産んだ。例えば告白者に対して厳しく接すべきか否か、とか。
そして本書が扱うのもまさにこの議論の部分である。そもそも、日本にはまだ告解入門的な解説書も無いのに、何故こんな細部の議論に特価した本を世に出したのか。そのストイックぶりには訳者すら困惑を隠せず、仕方ないのでわざわざ民俗学の教授を呼んで告解の一般的解説を挟まざるを得なかった程である。
告解の実践者も、本書の編者も、みんな戸惑いの中で生きていた、そんな本。